
これまでの作業で前後ホイールを仕上げたので、順番としてはサスペンションにとりかかるべきところなんですが、実は今、自分が乗れるバイクがない状態になっており、このエリミネーターを早く乗れるようにしたいので、最大の懸案であるエンジンにとりかかることにしました。とりあえず走るようにして、レストアはそれから各部をちょっとずつ進めていこうと思います。
さて、エンジンの状況をおさらいしておきましょう。この車両はプラグ穴がダメになってるかもしれないというものを購入し、チェックしたところ、右シリンダーにプラグがなく、その奥に見えるピストンにプラグがあたった跡がありました。
リーチの長いプラグをはめてしまったということでしょうが、そう深刻には考えていませんでした。
今回、初めて純正のプラグを取り付けようとしたところ、プラグ穴がスッカスカで、プラグを差し込んだだけでワッシャが当たるまで突っ込めてしまう。実はプラグを取り付けたらエンジンかかるんじゃないかと楽観視していたんですが、とんでもなかったです。
しかたがないのでエンジンを下ろします。2分割のマフラーやラジエーターなどを外していきます。

はい、降りました。って、そんな簡単なもんじゃないけど、でもまあこのバイクはフレームの下部分が取り外せる構造だったので、非常に楽でした。一体物のダブルクレードルフレームだとほんとうに大変ですからね。

机の上にエンジンを固定しました。地べたで作業すると腰を痛めるので、机で出来る作業は机でやります。

まずカムカバーを外します。オイルが全くない。この車両はバッテリーが生きていることなどから、つい最近まで走っていたのではないかと予想していますたが、そうではないかもしれません。いや、うちに来てからもう1年以上になるから、よく考えると当たり前か。

上死点を出します。このようにクランクを回し、

この穴からフライホイールを見て「2Tという刻印のところで止めます。すごくわかりにくいので、プラグ穴にドライバーを突っ込んでおき、その動きで大体の上死点を判断すると分かりやすいです。

カムチェーンテンショナーを外します。
偉そうに書いていますが、4ストエンジンをばらすのはほぼ初めてなので、ネットとかでやり方を調べながら作業しました。

カムシャフト2本を外しました。びっくりしたんですが、ロッカーアームが、ただ乗ってるだけなんですね。カムシャフトで押さえることで固定される仕組みのようです。

ロッカーアームを取り外しました。というか、拾っただけですが。

続いてヘッドを外し、プラグ穴がズコズコなのを確認。をリコイルで直すか、中古パーツ買って交換したほうが速いかなー、などと考えながらふとピストンを見ると・・・・
プラグが当たった跡がついていたのは奥側のピストンで、手前側のピストンは正しいプラグがついていたので問題無いと思っていたんですが、
メチャメチャくっきりとプラグがあたった跡があるじゃあないか

跡っていうか、完全に凹んでる。これはピストンを外してチェックしなければなりません。ヘッドだけ外すつもりが、腰上オーバーホールコースに突入です。

で、シリンダー外してピストン外して、裏から見てみました。くっきり割れてます。ピストン交換。

どうやらこのエンジンは、どっかのおバカさんがリーチの長いプラグを左右シリンダーにつけてエンジンかけようとしたらしいですね。そして片方のシリンダーはヘッドのプラグ穴のねじ山が砕け散り、もう片方のシリンダーはピストンに穴が開いたと。えらいエンジン掴まされたなあ。
【レストア エリミネーター250SEの最新記事】