2013年12月26日

22)エンジンオーバーホール(3)

エンジンのクランクシャフトには2個のベアリングがついていて(NS-1のエンジンの場合。2スト単気筒はみんなそうだと思う)これが傷みやすいのでオーバーホールでは交換します。
ベアリングはクランクシャフトに1個、クランクケースに1個圧入されているのですが、今回はクランクシャフトのベアリングを外します。

下の写真はクランクケースの片方と、そこから外したクランクシャフトです。
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先にクランクシャフトの歪みを測定してみました。このやり方であってるかどうか知りません。許容範囲0.05ミリだそうですが、結構ギリギリでした。マイクロメーター使ったの5年ぶりくらいだ。
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続いてベアリングを外すわけですが、ホームセンターによく売っているようなプーラーでは外せません。円盤状の部分(カウンタウエイトって言えばいいの?)にベアリングが密着しているため、プーラーの爪をかけられないのです。なので、普通は専用、でもないけどちょっと特殊なプーラーを使います。しかし、それを買うのがイヤ。めったに使わないから。

要は、プーラーの爪をかけられればいいのです。ならば、これでどうじゃあ!!
とばかりにグラインダーでベアリングの横っ腹を削りました。
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こんな感じに削ります。もちろん反対側も。爪をかけた時に外れないよう、けずる形状をよく考えるのがポイントです。V字型のみぞじゃダメだということです。白い紙はコンロッドのベアリングを削りカスから守るためにかけました。
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これで以前から持っているごく普通のプーラーが使えます。
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あまり力を入れなくとも、「パキッ」という音とともにベアリングが動きました。
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取り外し完了。思ったよりスムーズに出来ました。
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外したあとのクランクシャフトを見ると、円盤部にキズがいくつかついていました。以前にオーバーホールした誰かが、プーラーなしで何とか外そうと頑張ったあとでしょうか? 頑張った末に外せたのかなあ。気になります。
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次は新しいベアリングをはめます。ちょっとですが叩かないといけないので、適当な鉄板で机に飛び込み台のような出っ張りを作り、そこにクランクシャフトを置きました。これなら思い切り叩いても歪んだりしないはず。
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次に、ジュースの缶を適当に切って適当なオイル(ここではエンジンオイル)を入れ、コンロで温めます。温度計で温度を測り、120度くらいになったら火を止めます。
ここで使用している温度計はサーキットテスタに温度計機能がついたものです。
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新しいベアリングをオイルの中に投入します。
ここでまたしても誤算が!! ベアリングを120度くらいに暖めたいのですが、オイルに投入したら一瞬でオイルの温度が下がってしまいました。ベアリングの大きさに対してオイルが少なすぎました。
このまま過熱するとベアリングの底部が加熱し過ぎになるので、取り出してオイルだけ加熱、再投入ということを何度か繰り返して、ようやく120度位まで温めました。
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あとはベアリングをクランクシャフトにはめ込み、アルミパイプを当てものにして軽く叩けば入ります。
専用工具とかあるいは油圧プレスがあれば加熱せずに圧入することも可能ですが、加熱方式でもそう手間はかかりません。ただ、加熱し過ぎるとベアリングが劣化するので、直接火にかけるとかは厳禁です。NTNのWebサイトを見ると絶対に120度以上にするなと書いてあります。 photo


実は、このクランクシャフトのベアリング交換がエンジンオーバーホールで一番の難関だと思っていたんですが、思いのほか、あっさりと出来ました。まあグラインダーでベアリング削るなんてスマートなやり方ではないと思いますが、うまくやれば何ら問題はないので、普通のプーラーとディスクグラインダーはあるけど特殊工具はない、という人にはいい方法だと思います。該当する人が少ないかなー。



posted by まーさん at 02:25 | Comment(0) | レストア NS-1
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