2013年12月16日

18)ヘッドの研磨

前回、ついに不調の原因が解明されたNS-1のエンジン。
安心して組み上げることができます、

下の写真はクランクシャフトのベアリング外してるところです。なんかガスケットに塗ってある液体パッキンが尋常じゃないですね。

しかし、そんなことはどうでもよくて、もっと大変なことが発覚しました(何回目だ?)。
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なんと、シリンダーヘッドが、NS-1のヘッドなんです。これっておかしいしまずいんです。
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左が問題のエンジンのヘッド。右が購入した新しいエンジン(NS-1用)のヘッド。全くおんなじです

えーとですね、NS-1のエンジンはNS50FやMBXと同じものですが、ヘッドガスケットが従来の紙製(?)から金属製に変更になり、ガスケットの厚みが極端に薄くなりました。これだと圧縮比が異常に上がってしまうため、シリンダーヘッドの形状を変更して圧縮比が従来とおなじになるように調整しています。

で、問題のエンジンはNS-1に乗ってましたがエンジン番号で調べるとMBX用のエンジンです。なのに、シリンダヘッドが何故かNS-1用だったのです。

そしてこのエンジンはボアアップしてあります。ボアアップキットに付いているヘッドガスケットは分厚い紙製で、説明書に「NS-1とNSR50後期のシリンダーヘッドを使うと圧縮比が下がってしまうから使うな」というようなことが書かれているらしいです。

なので、NS-1のヘッドが付いているということは非常にまずいのです。

つまり、このエンジンはバランスシャフトのタイミングがめちゃくちゃだったことと、ボアアップしてあるのにシリンダーヘッドがNS-1用だったことという、2つの点でおかしかったわけです。

ちなみに、なんで今頃になって気がついたかというと、シリンダーヘッドが2種類あることは知っていましたが、エンジン番号的にも、ボアアップしてある点からも、当然、圧縮比が高くなるヘッドが付いていると思っていたんです。しかし、新しいエンジンを買って、そのヘッドと比較して、初めてNS-1用のヘッドだと気が付きました。

このNS-1を買って最初のほうで薄いガスケットを組んでしまうという失敗をしたんですが、ある意味、正解だったんですね。

話がややこしくなってきて、よっぽど熱心にこのブログを読んでいる人じゃないと、もう何がなんだかわからないと思います。

ボロいNS-1を買った。

ヘッドから水が漏れていたのでガスケット交換(深く考えず薄いやつに)

エンジン不調。ヘッド開けて、初めてボアアップしてあることに気がついた。

ボアアップ用の正しいガスケット組み込み

不調が直らない。いろいろ手を尽くすも直らず

中古エンジン購入して載せ替え。不調解消。これによりエンジン本体が原因と特定。

エンジン分解。バランスシャフトのタイミングがめちゃくちゃ。これが不調の原因と特定

エンジンを組み立て始めて、ヘッドが圧縮比の低いNS-1用と気づく。 ボアアップしてある関係上、NS50Fかそれ以前の高圧縮ヘッドでないとまともな性能が出ない。

困った(今ここ)


こんな感じです。



このエンジンの前のオーナーは、中途半端な知識と技量でエンジンをいじり倒し、まともに回らないので投げ出したのかもしれません。

さて、どうしたものか。とりあえず、ガスケットの厚みを測ってみました。
ボアアップキットのガスケットは1.3ミリほど。NS-1用の薄いメタルガスケットは0.4ミリほど。ついでにベースガスケットは0.6ミリ。

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1.3から0.4を引いて、0.9ミリ分の帳尻を合わせなければいけません。ネットで調べると、こういう場合はヘッドを削ればいいらしいです。しかし、いくらアルミでも、0.9ミリも削るのはしんどい。しんどいけど削らなければ仕方ありません。
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とりあえず0.5ミリほど削りました。ボアアップキットの説明書には、普通に組んでピストンとヘッドが当たるようならベースガスケットを2枚重ねろと書いてあるらしいです。そんなんでいいのかよと思うんですが、でもまあこの説明書から感じ取れるのは、圧縮比が高めに設定されているっぽいということです。

なので、とりあえず0.5ミリ削って様子を見ることにしました。

ちなみに、ピストンが傷だらけだったので新品を購入しました。このエンジン、もう自分は使わないことに決めたんですが、どうせ組むなら、いい状態にして高く売りたいので。
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右が本のピストン

で、
組み上げて車体に乗せて、走ってみました。非常に快調に走りました。

このエンジンがやっと直ったわけです。ここまで長い道のりだった。

エンジンが直ったことを確認するために乗せてみただけなので、キャブセッティングは濃い目、吸排気ノーマルのまま、おまけにピストン替えたばかりなのでいきなり上まで回すわけにもいかず、絶対的な性能については未検証のままです。ただ、発進が非常にやりやすく、低回転でも坂道をグイグイ登るボアアップの効果が感じられました。
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吸排気いじってキャブセッティングして圧縮比ももっと高くと追い込んでいったら楽しそうですが、今回はやりません。このエンジンはもう降ろしてヤフオクで売ります。かさんだ出費をちょっとでも取り返したい。

次回からは新しく買った中古エンジンの方をオーバーホールします。



posted by まーさん at 01:25 | Comment(2) | レストア NS-1
この記事へのコメント
元々ついていたヘッドはNS1のものではなく
NS50FやNSR50前期用の高圧縮ヘッドではないですか?
Posted by ぴ at 2021年03月05日 04:32
どうでしょう。そうかも知れませんが、正直、もうあまり詳細を覚えてないです。
Posted by at 2021年03月23日 17:31
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