2013年12月13日

17)不調の原因解明

エンジンを交換しても直らなかったNS-1の不調。
さすがに頭を抱えましたが、考えられる可能性をチェックしていくしかありません。
やはり排気系が詰まっているんじゃないか? テールパイプから棒を突っ込んで詰まりがないことを確認したけど、それでわわからないような構造がチャンバー内部にあるのかもしれない。
というわけで、チャンバーに穴開けました。
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最初10パイくらいの穴を開けてCCDでみようとしたんですがうまく行かず、結局こんなでかい穴を。奥に見えるアルミ板にマフラー用パテを塗ってリベット止して塞ぎました。溶接ができたらなあ。

チャンバー内部は内面に消音のための加工がしてあるという凝った構造ではあるものの、詰まりは無し。何時間も無駄にしただけでした。
じゃあキャブレターはどうだと、交換してみました。買ってきたエンジンについていたキャブレターが錆びてオーバーフローしていたので使わなかったんですが、修理して取り付けてみました。すると、

快調に走るじゃあないですか

とにもかくにも、このNS-1が初めてまともに走った瞬間だったので、嬉しかったです。

ということは、キャブレターが原因? いや、多分違うと思う。そう思って元のキャブレターに戻してみたところ、やっぱり、快調に走ります。

どういうことかというと、やっぱり原因はエンジンにあった。だからエンジンを交換した時点で直っていた。ただ、買ってきたエンジンもしばらく放置されていたものなので、調子が出るまでに少し時間がかかった(例えばクランク室にオイルかガソリンが溜まっていたとか)。ということだと思います。

しかし、これでめでたしとはいきません。いつまで続くぬかるみぞ。交換したエンジン、調子よく周りパワーもありますが、「シャー」って盛大に音がしています。これはクランクベアリング交換ですね。めちゃくちゃ高いエンジンだったのに。

エンジンをバラすのがイヤで中古エンジン買いましたが、ここまで来たらもう覚悟を決めてエンジンオーバーホールに挑戦するしかありません。
だったら、まず故障の原因となっていた方のエンジンからばらして、エンジン2基ともオーバーホールすることにします。不調の原因を解明したいし、オーバーホールしてからヤフオクに出して、かさんでいる出費を少しでも取り返したいからです。

で、いきなりクランクシャフトの写真ですが、オーバーホールの様子はもうひとつのエンジンで紹介することにして、このエンジンは要点だけ紹介します。

クランクシャフトのフレってこうやって測ればいいのかな、反対側? まあ両方測りましたが、0.02〜0.04くらいでした。0.05以下がメーカー指定らしいので問題ありません。ピストンがあたったことによるクランクシャフトやコンロッドの破損はなかったようです。
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クランクベアリングにも特に異常な摩耗はありませんでした。じゃあ原因はナンジャラホイと、ぼーっと考えている時、ふと目に入ったもの。バランスシャフトです。
こんな原付エンジンでもいっちょまえにバランスシャフト入ってるんだ。バラしてみて初めて知りました。
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上の写真だとわかりにくいのでもう1枚。別のエンジンの写真ですが、手前の背の低いのがバランスシャフトです。
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バランスシャフトがあるということは、組むときにタイミングを合わせる必要がある。しかし、このエンジン、バラしてみると締付けトルクとかめちゃくちゃで、以前にヘタクソがオーバーホールしていることは確実。ということは、バランスシャフトのタイミング合わせてないかも。

そういえば、このエンジン振動がすごかったです。このブログでも「12)エンジン不調」のところで、「変な振動がある」、「回りたがらない感じ」とこの症状を紹介しています。ただ、何らかの不調があってそのせいで振動が出ていると思い込んでいたので、問題はあくまで7000回展以上回らないことだと考えていました。
不調があるから振動が出る、のではなく、振動そのものが不調の原因、とは考えなかった。

しかし、何も考えずにエンジンを分解してしまったため、今となってはバランスシャフトのタイミングが本当に狂っていたかどうか確かめられません。いや、写真をとってあるからそれでわかるかも。

というわけでクラッチカバーを外した時の写真がこれです。
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重要部分を拡大します。
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非常にわかりにくいですが、クランクシャフトとバランスシャフトそれぞれにマークが有り、それをクランクケースの三角の出っ張りに合わせることになっています。この写真ではどっちもマークがあっていないのでわかりにくいですが、頭のなかで歯車を回してクランクシャフトのマークを合わせると、バランスシャフトのマークは合わせるべき位置の反対側に行ってしまいます。

ようするに、バランスシャフトのタイミングがメチャメチャだということです。これが今回の不調の原因、少なくとも原因のひとつであることは間違いありません。

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実はもうひとつ重要な不具合、というか間違いが発見されたんですが、次回に紹介します。

いずれにしても、このエンジンはもともとまともに回らなかったもののようです。まーさんもいろいろバカで回り道をしてしまいましたが、誰がやってもこのエンジンにはある程度手間取っただろうと思います。バランスシャフトのタイミングが狂ってるなんて通常はありえないことです。

それにしても、非常にやばいです。

何がやばいって、エンジンばらし始めたら、なんか無性に楽しくなってきてしまったんです。まあ、趣味でやっているので楽しければ結構なことなんですが、なんかまたひとつ深みにハマった気がします。予算がかさんでいることもどうでも良くなってきたし、むしろもっとなんかパーツ買いたい気分です。非常にやばいです。



posted by まーさん at 23:35 | Comment(2) | レストア NS-1
この記事へのコメント
ブログおもしろすぎます、ついつい遡って読んでしまった(;д;)
どんな風に考えてレストアに取り組んでるのかを写真付きで具体的に説明してくださってるのが、まるで横でレストアを見てるような気分になって楽しかったです♪
四輪の整備士の方ですかね?

勉強になりましたありがとうございます(o゚∀゚o)ゞ
Posted by ど素人のあつし at 2014年09月06日 00:52
ありがとうございます。
このところ仕事が非常に忙しく、こちらのブログは放置が続いていますが、そのうち再開します。

僕はプロの整備士ではありません。全くの素人です。このブログの内容もきっとバイク屋さんが見たら失笑ものだと思います。
Posted by 山田 at 2014年09月07日 01:35
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