
中央がブラストキャビネット、その右の水色がコンプレッサー。左の円筒形のものが直圧式ブラスターのタンク。
ネットでは試作のブラスターを公開している人がいっぱいいるんでいまさらですが。
なんでブラスターを自作するのか、市販品ではダメなのか?
市販のブラスターと言うとブラストキャビネットとオマケのようにブラストガンが付属しているものが一般的ですが、これには大きく分けて2つの問題があります。
1)市販されているのは吸上式のブラストガンですが、あれをまともに使うには5馬力クラスのコンプレッサーが必要です。5馬力というと素人が趣味で持つようなものではなく、100V電源では動きません。導入するには電気工事から必要になるわけで、現実的ではないです。
2)ブラストキャビネットが小さい。あるいは大きいのはバカ高い。ブラストキャビネットは大きいに越したことはなく、バイクのレストアに使うものなら、自作したほうが圧倒的に安上がりです。
まず1)の問題ですが、素人が所有できる1〜1.5馬力のコンプレッサーで使えるものとして、直圧式サンドブラストというものがありますが、なぜか、ほとんど市販されていません。なので自作することになります。
これが私が自作した直圧式サンドブラストで、下水に使う塩ビパイプでできています。ベニヤ板はスタンドにすぎません。奥にもう1本タンクがありますが、メディア(砂のこと)の入ったタンクを簡単に交換できるようにしてあり、複数のメディアを使い分けしやすくしています。

直圧式サンドブラストがどういうものかはググれば分かりますが、いずれそのうち細かいことを紹介しようと思います。今回は概略だけ。
直圧式サンドブラストで特殊なパーツといえるのはこのノズルだけです。セラミック製で、ただ小さな穴が開いているだけのものですが、金属パイプなどを流用するとあっという間にメディアに削り取られて穴が広がってしまいます。このセラミックノズルをもし買うなら、穴の直径は1ミリ程度のものがいいです。それより大きいと1.5馬力クラスのコンプレッサーでは厳しくなります。ところが、このサイズのものは工具ショップにはほとんどありません。ガラス工芸のショップとか石材関係のショップのネットショップを探すと見つかります。

続いて2)のキャビネットですが、これは密閉された箱で下がロート(ジョウゴ)になっているのが理想ですが、大きめの衣装ケースなどを利用して作ることもできます。ただし、ここ、重要なのですが、小さくで底が平らな箱だと、使い始めたらあっという間に箱の中が真っ白にくもって、なにも見えなくなります。
これは煙の逃げ場がないことと、底に溜まったメディアや錆の粉がノズルからのエアで際限なく舞うからです。
大きめ、かつ底がロート状のキャビネットを使うと嘘のように煙が無くなります。
ただ、私のブラストキャビネットには強制排気用の換気扇が付けてあります。

正面の蓋を外して普通に換気扇としても使えるようにしてある。
なぜこのようなものを付けたかというと、強制排気しないとガレージ内のあらゆるものがホコリだらけになるからです。キャビネットを完全に密閉しても、ノズルからエアが出る以上、どこかからエアを抜かなければなりません。また、どんなにパッキンなどを使って密閉しても、どうしてもホコリは漏れてしまいます。しかし、キャビネット内が負圧になれば密閉する必要さえ無くなります。
換気扇にはフィルターが付けてあるのでホコリまで屋外に出してしまうことはありません。ただ、フィルターがあっという間に真っ黒になるため、交換が非常に面倒です。

これは落ちてきたメディアを受ける箱。フルイがセットしてあってゴミを除去する。これをやらないとノズルがすぐに詰まる。
では、実際に使ってみます。中に入っているのはエリミネーター250SEのフロントホイール。17インチです。バイクのパーツだとフレームとマフラー以外はだいたい入ります。入りきらないパーツはフタを開けてままブラストしちゃいます。

ブラストしているところを動画撮影してみました。生まれて初めてYouTubeに投稿したよ。
最初にメディアがドーッと出てきますが、これは構造上どうしてもホース内に砂が溜まってしまうためで、そのあと、画面ではメディアが見えなくなってからが本番です。錆や塗装が落ちる様子がわかると思います。
サビ落としは一番安いガーネットメディアを何度も使いまわししたものを使ってます。ガーネットメディアをアルミに吹くと白っぽくザラザラの表面になりますが、軽くペーパーを当てればツヤのある表面に戻ります。
直径1ミリ穴のノズルと私の使っている100V用のコンプレッサーを組み合わせた場合、コンプレッサーのエア供給量がサンドブラストのエア消費量を上回っているため、メディアが尽きない限り、ノンストップで吹き続けられます。



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