
すでにクラッチを外してあります。クラッチ関係のパーツがやたらとピカピカに見えるのですが、古いエンジンでもこんなもんでしょうか。
ついでにクラッチの仕組みを紹介しますと、この銀色のパーツ(ハウジング)、一体に見えますけど、実は内側と外側が独立して回転する別パーツになっていて、外側のヤツはエンジンのクランクシャフトと歯車でつながっています。内側のやつは、そのままトランスミッションのインプットシャフトに直結しています。

こちらはクラッチディスク。よく分かりませんが、新品に近い状態なのでは? クラッチが切れなかったのは、単に長期保存のせいでオイルによって貼り付いていただけみたいです。
クラッチの仕組みの続きですけど、クラッチディスクは黒っぽいプレートとシルバーのプレートが交互に重なっています。そして、黒いディスクは外側に出っ張りがあり、シルバーのプレートは内側に出っ張りがあります。

クラッチディスクをハウジングに組み込みました。黒いディスクは外側に出っ張りがあるので、外側のハウジングと噛み合います。シルバーのディスクは内側に出っ張りがあるので内側のハウジングに噛み合います。

フタをしますが、このフタはバネで抑えられているので、クラッチディスクは押さえつけられていることになり、摩擦で一体化します。つまりクラッチがつながっている状態となるわけです。どうでもいいけど、この部分がボルトでなくプラスビスなのってどうなんでしょう。

このプラスビスを占めるときは、クラッチはウジンがが空回りしないように工具で押さえます。そのための工具も売っているけど、貧乏で買えないので自作の工具を使っています。

ここであることに気が付きました。これはクランクシャフトの端のナットですが、明らかに一度緩められた跡があります。というか、舐めてしまっている感じです。なので、このエンジンは一度クランクを割ってオーバーホールしている、しかも下手な人がしている、という推測ができます。

クラッチがちゃんと切れるかチェックしました。クラッチレリーズレバーをペンチで回す(本来はクラッチケーブルで引っ張る)と、クラッチを押さえつけているフタを棒が押して、クラッチにかかっている力がなくなるようになっています。すると、クラッチディスク同士に摩擦はなくなり、それぞれ勝手に回ることができる、つまりクラッチが切れた状態となります。

またまた気がついてしまいました。クラッチカバーの裏を見ると、何やらキズが付いています。ちなみに右下のギアはキックレバーのものです。

傷の部分をアップ。クラッチのフタを固定しているネジが緩んできてフタにあたったような感じですね。締め忘れて組んじゃったのかな。

このクラッチカバーは非常に汚いのでサンドブラストすることにしました。

ブラスト後。綺麗になりました。

これでエンジンはとりあえず仕上がったということにして、しまっておきます。パーツをまとめて注文するときに、クラッチカバーのガスケットとか購入してちゃんと組んでオイル入れますが、その時までしまっときます。

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