溶接機は以前から漠然と欲しいと思っていたんですが、バイクのレストアを本格的に始めるようになって、ますますその思いが強くなりました。というのも、2ストのバイクをレストアすると、かなり高率で、マフラーが詰まっているんですね。そして、それを解消するには、マフラーを切断して直接掻き出すしかありません。
問題は、掻きだしたあと、穴をどうやって塞ぐかということで、今まではアルミ板をあてがってマフラー用パテとリベットで塞いでいました。しかし、できることなら溶接で塞ぎたい。
そんなことを思っていたとき、アマゾンを見ていたら、MIG溶接機が1万7,980円で売られているのを見てびっくらこきました。何年か前に、MIG溶接機が10万円切ったとか5万円切ったとかいう話を聞くたびに欲しいなあと思っていましたが、2万円を切っているそのインパクトは強烈。「欲しい!!」。漠然とした憧れは炎のような欲求へ。そして具体的な購入計画へと変貌していきます。しかし、問題がひとつ。1万7,800円すら、パッと出せないほどに貧乏なのです。
もっと安く変える方法はないかとヤフオクへ。すると、全く同じ溶接機の新品が1円スタートで出品されているのを発見。
でもどうせアマゾンより高くせり上がっちゃんでしょ(これってよくある。皆さん、アマゾンの値段見てから入札しましょう)、と思っていたら、1万3,000円で落札されました。
同じ溶接機は大量に1円スタートで出品されています。これはいけるかもしれない。一番残り時間が少ないやつに1万2,000円で入札。 落札できず、次、次、とやっていたら、数日後に1万1,000円で落札出来てしまいました。ショップからの出品だったので消費税がついて1万1,880円。送料込み。
これが購入したMIG溶接機です。DUTY JAPANというメーカらしいです。禁断の100Vタイプです。

電気溶接にはシールドが必要
溶接は大きく分けてガスと電気がありますが、ここでは電気溶接だけ説明します。電気溶接というのは、放電現象のアークを利用して金属を溶かし、溶接をします(スポット溶接は違うか?)。それは知っている人が多いと思いますが、ここで大切なのが、電気溶接には必ずシールドが必要だということ。
どういうことかというと、真っ赤に溶けてる金属は猛烈に酸化しやすいそうで、空気中の酸素を取り込んであぶくが発生してしまうらしいです。これを防止するためには酸素から引き離してやるしかないのですが、園役割をするのがシールドです。とにかく、電気溶接ではどうにかして酸素から引き離す必要があるってことを覚えておいてください。
アーク溶接
後で説明するMIGとかTIGもアークを使った溶接ですが、なぜかアーク溶接とはいいません。普通、アーク溶接といったら、太くて真っ直ぐな溶接棒を使う電気溶接のことです。この溶接棒は特殊な被覆はかぶせてあり、溶接時にこれが溶けて、酸素を引き離すシールドの役割を果たします。アーク溶接をしたあとは、溶接した部分にこの被覆がかぶさった状態になっていて、これをスラグと言います。溶接したあと、ハンマーでスラグを叩き落とす必要があります。
MIG溶接
MIG溶接では「基本的」に、シールドとしてガスを使います。アルゴンとか二酸化炭素などのガスを溶接する部分に吹き付け、酸素から引き離します。また、MIG溶接では溶接棒は細いワイヤー状で、モーターで自動的に送り出されます。なので、MIG溶接のことを半自動溶接ともいいます。正確には、半自動溶接のグループの中にMIG溶接があるという感じでしょうか。
ワイヤーが自動で送り出されるだけで半自動とは片腹痛いわ。と僕も思っていた時期が僕にもありました。しかし、ワイヤーが自動で送り出されるおかげで、アーク溶接では難しいアークスタートやアークの持続がすごく簡単になるのです。アーク溶接と比べたら、半自動どころか「八割がた自動」と言いたくなるくらいです。
このようにMIG溶接は簡単に溶接ができるので便利なのですが、ガスを使用するということは、ガスボンベが必要であり、お手軽とはいえません。そこに登場したのがノンガスタイプのMIG溶接です。これは、機械はどこも変わっていないのですが、ワイヤーに仕掛けがあって、ワイヤーの内部に蒸発してシールドの役割をするペーストが入っています。このようなノンガスMIG溶接はほんとにお手軽で、そのおかげで、今日のような「一家に一台MIG溶接」となったわけです(ウソ)。
今回僕が買ったのもこのノンガスMIG溶接です。
TIG溶接
説明するのに疲れました。まあ、そういう溶接もあるってことです。よく「アルゴン溶接」って言葉を聞きますが、大抵はシールドガスにアルゴンを使ったTIG溶接のことらしいです。
長くなったので続きは別記事にします。
【ガレージ用品、工具の最新記事】